梁田寺Ryodenji 宿坊「泰全」
森を間伐して既にあるものと組み合わせ
循環する空間を目指す。
関東の丘陵地域にある町田市。その真ん中に位置する簗田寺は緑豊かな森林と湧き出る泉に恵まれた禅寺です。縄文時代の住居跡や鎌倉時代のお堂、そして戦国時代に活躍した簗田家の歴史が残るこの土地で、精進食堂「ときとそら」と宿坊「泰全」が開かれた。
「ときとそら」では、知足安分(足ることを知り、いまが安らかであることが分かる)を感じる精進食堂で、「泰全」は、全てが泰らかでいられるような日常を得るための調整に向き合える宿で、その考えに沿って内装リノベーションの設計を担当した。
この場所は、住職家族が生活してきた空間で、元の空間をできるだけ活かし、機能を満たし、お寺で使われる色彩などを取り入れながら仕上げを整えて、モダンで心落ち着く豊かな空間を目指した。
この空間のためにデザインした家具は以前落雷で倒れた樹齢1000年以上のはりぎりの木を使用している。500年後もこの場所が活気のある場所にするにはどうしたらいいのかと言う施主の問いに対して、今後も北面の森の木々を間伐して森を活性化させながら、地域の人々とワークショップを行い、それらを用いて家具を製作していくなどを提案し、末永く続いていくこの敷地内での「循環」を考えながら設計している。
ADDRESS:〒194-0035 東京都町田市忠生2丁目5−33
TEL:042-791-0602
URL:https://ryoudenji.net/
Photo / Nacasa & Partners Inc.
GRAPHIC DESIGN: Atsuo Negishi
Planter design : ORYZA
Cutlery Select : Outbound